幇間(ほうかん)という絶滅危惧芸人 ― その1

幇間も、いずれはいなくなってしまうのでしょうか。それではあまりにさみしい……。お座敷遊びは、一部のいわゆる旦那さん(パトロン)だけのものではなく、一般の人にもぜひ経験してもらいたい、と七好さんは訴えていました。芸妓や幇間をあげて、普段接することのない別世界の楽しみを味わう。それは、結局、日本人が大切にしてきた、たしなみ...

節分

お正月気分も束の間、慌ただしく仕事と家事に追われているうちにもう1月も終わり。街は節分モードになってきました。2月3日は節分。節分は「季節と季節を分ける日」という意味だそうで、冬と春を分ける日。つまり2月3日で冬は終わり、翌日4日からは春というわけです。 季節を分ける日が節分なら、季節には春夏秋冬の四季があるのだから...

房州うちわ – 受け継がれる日本の手仕事

房州うちわは、千葉県内で始めて国の伝統工芸品として指定され、京都の京うちわ、四国の丸亀うちわとともに日本三大うちわの一つ。本体に柄を差し込んで仕上げる京うちわ、柄の平らな丸亀うちわに対し、房州うちわの特徴は竹の丸みを生かした丸い柄。そして柄の上にできる細かく裂いた竹で編まれた扇形の窓の美しさ。1本の丸い竹で柄から骨組み...

美の陰に職人ありー日本女性の装いの美をたどる「和モード」展

この展覧会は、小袖や髪飾り、化粧道具、浮世絵といったサントリー美術館の所蔵品に表現された伝統様式を「和モード」と名付け、日本女性の装いの歴史と文化を伝えようとするものです。昨年3月末にオープンした東京の新名所、東京ミッドタウンにあるこの“和モダン”の美術館で、想像以上に優美で精緻な和モードの世界に浸ることができました。...

日本の伝統色

子の年 ねずみ年にちなみ ライターをしながら染織の勉強をしている親友からの年賀状で日本にはいろいろな鼠色があることを教えられました。 さっそく「日本の色」という本を見てみると、日本の伝統色の鼠色には「四十八茶百鼠」という言葉があるほど多彩な茶色と鼠色があるそうで、びっくり。(実際にこれだけの色数があったどうかはわか...

一枚の布 – 小千谷縮み(おぢやちぢみ)

雪から生まれた布 小千谷縮みという夏のきもの地があります。麻の織物なのですが生地の表面に波状の皺があるのが特徴。皺はしぼと呼ばれ、この凸凹したしぼがあるお陰で、風通しが良いだけでなく肌に張り付かないさらりとした着心地になり、盛夏のきものにもってこいというわけです。