ここのところ、雨の日が続いています。

そんな中、新宿に用事があったので、思い切って千駄ヶ谷で降りて新宿御苑を抜けて新宿まで歩いてみることにしました。千駄ヶ谷門から入ると大人が抱えるのに二人か三人くらい必要なほど太い幹の木が迎えてくれました。周囲はビルや高速道路なのに、この公園にはこの巨木のほかにもたくさんの木があって、そう、都会のオアシスのようです。

木の下を歩くとあまり雨が気になりません。中の池まで来たらそのほとりを歩いて旧御涼亭(夏に散策するときに涼をとれるようにと、まだ、この園が皇室庭園であった昭和2年(1927年)に台湾在住邦人の有志により建てられたもの)に着きました。ここから外を眺めると、しっとりと雨に濡れた芝生の緑が鮮やかで、また、点在する松の姿も美しくて、しばし時を忘れて見とれてしまいました。

日本庭園のほうに進んでいくと、池には太鼓橋がかかっています。その上から池を覗くと、鯉や亀が泳いでいます。きれいに刈り込まれた楓(かえで)や松、ところどころに百日紅(さるすべり)の花が咲いています。雨のせいか人が少なくてとても静か、気持ちが和みます。

天気のよい日はもちろんですが、雨の日の公園の散策もそれはそれでいいものだと思いました。

新宿御苑には、日本庭園のほかに、広い芝生のあるイギリス庭園や、バラが咲くフランス庭園もあります。日本庭園の茶室ではお抹茶を頂くことができます。四季折々に楽しめるので、都会の喧騒に疲れたら寄ってみるとよいかもしれません。