俳句の会に入りました。ずっと興味がありながらも、読んでわかる句もあれば全くわからない句もあって難解な近寄りがたい世界だったのですが、義母が出席できなくなった俳句の会の幹事さんに勧められ、思い切ってはじめてみました。
「では次の句会までに3句作ってみて。参加できなくてもFAXで送ってくれればいいから」と幹事さんの優しいお誘い。今まで俳句など作ったこともないくせに、知らないということは恐ろしい。怖いもの知らずの私は調子にのってはじめてしまったのです。
初めてみて納得したのですが、句会とは俳句教室ではないのです。先生から「俳句とはなんぞや」「俳句とはこうして作るのだ」と講義を受ける場ではないのでした。月に一度開催される句会は、主催者の先生の下、参加者が持ち寄った自作の俳句をみんなで発表し鑑賞しあう場でありました。
毎月先生が選んだ兼題の「季語」を入れた句を1句と、自由な題材で2句作ることが課せられます。俳句は「季語」を入れることくらいは私も知っていました。春だったら梅とかうぐいすとか、季節に結びついた言葉を使えばいいんでしょ。しかし甘かった。毎回出される兼題の「季語」がわからなければ俳句作りが始まらないのです。
先月9月の兼題は「爽やか」。歳時記によると「爽やか」は秋を表現する季語。「さらりと乾いた秋風が吹くこと。次にその風に包まれるときの感じをいうようになり、さらに秋のここちよい気分をいうようになった」言葉だそうです。
涼しい風に吹かれ、あぁ気持ちがいいなぁ。そんなとき爽やかだなぁと口にしますが、これは秋だけに限られる表現で、春や夏には使わない表現なのだそうです。初めて知りました。初夏、気持ちのよい風に吹かれると「風薫る爽やかな季節になりましたね」と言っていたような気がします。恥ずかしい。調べてみると気象庁の「天気とその変化に関する用語」にも「爽やか」とは「原則として夏期や冬期には用いない。秋に、移動性高気圧におおわれるなどして、空気が乾燥し、気温も快適な晴天の場合に用いることが多い」とあります。なるほど。正しい日本語の使い方を知りました。
そして今月10月のお題は、「小鳥来る」。秋10月の季語。小鳥?小鳥なんていつだって見かけるのになぜ秋なの?俳句の世界では秋に渡ってくる小鳥たち(つぐみ、ひわ、あおじ、連雀(れんじゃく)、尉鶲(じょうびたき)などのことをいうそうです。庭木でチュンチュン鳴いているスズメのことではない。秋に渡ってくる小鳥がいることを始めて知りました。
私の俳句入門は季語との闘いです。まだまだ先は長い。けれど、この頃空を見上げたり草木を眺めたりするのが楽しくなってきました。
最後に自作の俳句を。
「爽やかやリネンのシャツに風抜ける」
これを先生が以下のように添削してくださいました。
「爽やかやリネンのシャツに風抜けて」
最後の一文字「る」と「て」の大きな違い。「て」にすると本当に風が吹き抜けていく。余韻があるような気がします。先生の添削はすごいのです。駄作が生き生きしてくるというか。先生の添削のこと、次の機会に書きたいと思います。◆