イラン人の大工さん

昨日は、とてもうれしいことがありました。会社のブログにも書きましたが、カナダに移住するために必要な書類の英語への翻訳を依頼してきたイラン人の男性から、3年越しの手続き・審査がようやく終わり、カナダ政府から永住ビザがおりました、と連絡があったのです。

いろは堂の運営会社である株式会社ソーホーズでは、色々な分野の翻訳をやっていますが、その中のひとつに公文書の翻訳というのがあります。ネット経由で注文が入るのですが、一番多い依頼は、戸籍謄本、婚姻届受理証明書、出生届・出生証明書、会社謄本などです。

この方からは、これまででもっとも多くの書類の翻訳を依頼されました。ふつうは1種類で、多くても2種類です。ところが、この方からは以下のような種類の翻訳を依頼されたのです。

1) 職業訓練学校の修了証  2007年6月11日
2) インターンシップの修了書  2007年6月11日
3) 戸籍謄本  2007年8月10日
4) 婚姻届受理証明書  2007年8月10日
5) 技能検定合格証  2008年1月10日
6) 会社の在籍証明書 – 2 社分  2008年1月21日

これは、移住という特別な理由からでしょうか。弁護士から都度指示を受けていたようです。数年前に、オーストラリアへ移住申請に使うという日本人の寿司職人の方の戸籍謄本を翻訳しましたが、その人は2~3年がんばったようですが、言葉の壁で結局断念したようです。

このイランの方は、遠いアジアの西の果てから日本にきて、建築大工の学校を卒業し、見習いでいくつかの会社のベテラン大工の下で働き、建築大工2級技能検定試験をパスし、そして2つの会社で実務経験を積んだ上で、ようやく念願のビザを獲得したのでした。その間、日本人の奥さんをもらい、お子さんができ、おそらく英語の勉強もしていたはずです。
Canada Vancouver Forest
来年の3月に家族とともにカナダに移るとのことでした。日本とカナダとでは同じ大工といっても色々と違いがあるでしょうけれど、がんばって欲しいものです。