今年の秋、日本列島は台風で本当に痛めつけられました。それでも、6月に田植えをした田んぼでは稲が実りました。ここでは赤米、黒米、みどり米という古代米が植えつけられているので黄金色とのコントラストが目に鮮やかです。
田植えのときと同じように、稲刈りも機械を使わず、鎌で刈っていきます。この日は秋錦という種類のお米を刈りました。子ども達も鎌を手に参加、ほどよい太さにまとめて藁で束ねます。10月になっても秋晴れにあまり恵まれなかったので田んぼはずいぶんとぬかるんだまま。「水の欲しいときに雨が降らず、要らなくなってから雨ばかりだった」ということで、豊作にはほど遠い出来でした。大勢だったのであっという間に刈り終えました。
刈った稲は運んで稲架がけします。ここで使った稲架は金属製でしたが、昔ながらのものは竹などの木で組まれているそうです。ここに稲をかけて干します。今回の作業はここまででしたが、この後に脱穀、精米といった工程を経て、はじめて米として食卓に出す準備ができるわけです。
お米に限らず私達がふだん口にしているものの1つ1つに、たくさんの手間がかかっていることをあらためて思います。そして、実りも痛みももたらす自然の偉大さも。