9月に入り、暑かった夏も漸く終わりを告げようとしています。そろそろ温泉で温まるのも悪くない季節です。私は一足お先に草津温泉を楽しんできました。ここ、草津は自然湧出泉としては日本一の湯量を誇り、古くは源頼朝も訪れたという歴史ある温泉です。写真は草津名物、湯畑の様子ですが、ここは草津の数ある源泉の一つです。
現在は畑のように木でしつらえてありますが、私が小学生の頃にここを訪れたときは、まだ石で囲われているだけだったと記憶しています。妹と二人でこの端っこに入って父に写真を撮ってもらっていたら、誰かに「そこは入っちゃいけない」って怒られたっけ。確かにとても熱いので危険だったと思います。
「真水よりも温泉の方が多い」と言われるほど豊かな草津の湯の、その産みの親は草津白根山。白根山山頂に登る途中に殺生河原を通り過ぎると、卵の腐ったような硫化水素の臭いがたち込めていました。先ごろ噴火した浅間山からもそう遠くなく、このあたりが火山帯に含まれる地域であることをよく実感できます。
火口湖である湯釜周辺には植物もまばらで、明るい青緑色の湖面は神秘的でもありますが、ちょっと不気味な感じもします。この湖も酸性ですが、草津の温泉も強酸性で、ヨーロッパなどには見られない泉質です。
白根山には別の表情もあります。湯釜からすぐのところにある弓池(これも火口湖)一帯は木道も整備された湿地で、美しい風景を楽しめますし、ここからロープウェイの山頂駅まで歩いたときにはリンドウにも出会えました。白根山は、春にはシャクナゲ、夏にはコマクサも咲く爽やかな高原でもあるのです。(続く)