皆さんは「菖蒲」と聞いたらどんな植物が思い浮かびますか?
きっとあやめに似た美しい花を思い出すのではないでしょうか。昨日、とある菖蒲園を訪れたのですが、そこで、「菖蒲」と「花菖蒲」とは違うことを初めて知りました。
一般に「菖蒲の花」といった場合、おそらくそれは「花菖蒲」の花を指しているのだと思うのですが、「花菖蒲」はアヤメ科の植物で、「菖蒲」はサトイモ科の植物なのですって。五月のお節句によくお風呂に入れるのはサトイモ科の「菖蒲」なのだそうです。サトイモ科の「菖蒲」の花は黄緑色の肉穂花序という、見た目は花というよりは蒲(ガマ)のような、とうもろこしの実(!?)のようなものです。
ちなみに「黄菖蒲」というのはヨーロッパ原産で、一方、「花菖蒲」は日本のほか、朝鮮半島、中国などに分布しています。どちらもアイリス類(アヤメ科)に分類されます。日本では「花菖蒲」は人々に愛され、江戸時代からは広く品種改良が行なわれてきました。訪れた菖蒲園にも色も形も様々な花菖蒲が咲いていました。
明治神宮御苑の菖蒲田は有名ですが、菖蒲園は各地にあります。きっと皆さんのお近くにもあることと思います。花菖蒲、これも日本の美のひとつですね。